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FIT制度

2017.09.29

会計税務

再生エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)とは、5つの再生可能エネルギー(太陽光・風力・地熱・バイオマス・小水力)を電力会社が固定価格で全量買い取る制度を言います。福島第一原発の事故の後、国内における再生エネルギーの導入率を高める目的で、2012年7月から実施されております。

1)概要

対象となる再生エネルギーの買取価格は、各電源に係るコストに適正な利潤が乗せられて、調達価格等算定委員会により決定されます。電力会社は、その決定価格により、発電者より全量を買い取ることを義務付けられており、また電力会社が買い取った電力は、原則として全額電気料金に上乗せされ、需要家である消費者が電力使用量に応じて負担することとなります。ただし、電気料金に上乗せされる国民負担額が2015年度において1兆円を超えており、負担軽減のために2017年度より一部運用の見直しがされております。

需要家に転嫁された料金は、電力会社を経由して費用負担調整機関(低炭素投資促進機関)に納付され、一方でエネルギー特別会計を財源として、再生エネルギーの買い取りを促進するための交付金が費用負担調整機関より電力会社へ交付(FIT交付金)されます。

なお、再生エネルギー導入促進のための類似制度として、電力会社が再生エネルギーの導入量を義務付けたRPS制度がありましたが、義務量以上の再生エネルギーの導入促進を図れないという限界があるため、FIT制度の導入に伴って、経過措置を含めて2021年には終了が予定されております。

2)税務上の処理

FIT制度におけるFIT交付金の取り扱いにおいて、留意すべき点は以下の2点となります。
①消費税上の取り扱い…課税売上の要件を充足しないため、不課税取引として処理することになります
②事業税収入割の扱い…交付金についても、収入すべき金額としての要件を満たしているため、収入割の課税標準として処理することとなります。

 

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